日本を代表する華やかな舞台「宝塚」で20年輝きつづけた舞咲りんさん。

彼女は今、宮崎学園短期大学で「講師」ではなく「学生」として授業を受けています。

その目的とは・・・？

• 【話：元タカラジェンヌ 舞咲りんさん】
  保育士の免許取得を目標に、宝塚という仕事を生かしてできることが何かあると思うので、学び直しのために短大へ入学しました。

宮崎市で保育園を経営する両親のもとに生まれた舞咲さん。
幼いころは両親のように保育士になりたかったそうです。

外で遊ぶことが大好きだった彼女が宝塚と出会ったのは5歳の時でした 。
夢のような舞台の世界に引き込まれ、「宝塚に入る！」と即決したそうです。

初めての挫折

ピアノ、バレエとお稽古の毎日。
しかし、2年連続不合格。初めて挫折を味わいます。

宝塚音楽学校を受験できるのは中学3年 ～ 高校3年までの4回だけ。
不安と絶望感の中、眠れぬ日々を過ごします。
しかし「宝塚が好き」という気持ちは消えなかったといいます。

最後のチャンスである高校３年生の時に見事合格!!

しかし喜ぶ舞咲さんに母親は「合格できなかった人の気持ちがわからないの？」と諭したと言います。
「合格できなかった人たちの分まで頑張りなさい」という両親からの言葉を胸に飛び込んだ宝塚の世界。

入団後も挫折の連続

入団当時の成績が、その後の配役に大きく影響すると言われる宝塚の世界。
なかなか役をとることができず、厳しい現実を突きつけられ焦る毎日を過ごします。

• 【話：母親 親子（ちかこ）さん】
  「お母さん 宝塚は入るところじゃない 観るところだよ」と言っていて、すごく辛い思いをしてるんだろうなと思っていました・・それでも「自分で決めたことは最後まで責任を持ちなさい」と伝えていました。

宝塚の厳しい世界で舞咲さんが辿り着いたのは「やりたいことを全部やらないと後悔する」ということ。
芸事は"努力が報われる"世界ではない、努力するのは当たり前。皆が当たり前に努力をしている中で自分ができることは「どんな場所でも全力を尽くす」ということだったそうです。

娘役「舞咲りん」開花

そこから娘役として活躍し始めます。
高い演技力と歌唱力で多くのファンを魅了。
多くの舞台を踏み、大役も見事にこなし、宝塚のスターとして輝きを放ちました。

卒業後の選択

宝塚歌劇団にいたからこそ、人生が鮮やかに色づいたという舞咲さん。

卒業後、芸能界の世界で活動する準備をしていたところ、コロナ禍となり、自分が本当にやりたいことは何なのか改めて考えたそうです。

その時に幼い頃に保育士の母に憧れていた頃を思い出し、「母のような保育士になりたい」と決意。
2021年4月に、新たな夢を叶えるため社会人枠で保育科に入学しました。

親子ほど年が離れている同級生ともすんなり馴染めたそうです。

あおぞら幼稚園（宮崎市）での実習でも相手を楽しませるため、常に全力を注ぎます。

• 【話：あおぞら幼稚園 仲田 美和先生】
  子供達のことをすごくよくわかってくれて、子供達も大好きです。すごく気さくで元宝塚というのをあまり意識せずに、保育のことを考える先生の1人として接することができました。

宝塚で培ったことを生かすため、音楽療法（音楽の力を使って子供の発達を促したり、コミュニケーション力などを伸ばす）の資格取得の勉強も始めました。

• 【話：元タカラジェンヌ 舞咲りんさん】
  音楽の力は大きいと思うんです。
  感受性豊かな子供達が音楽を通して学べることが多いと思います。

Q:どんな保育士さんになりたいですか？

• 【話：元タカラジェンヌ 舞咲りんさん】
  歌って踊れる保育士（笑）！
  こどもたちに、「表現することは恥ずかしくない、楽しいんだよ！」と伝えたいし、全部を受け止められる保育士になりたいです。

来年春に保育士としてデビューする舞咲りんさん。
卒業後は実家の保育園で働くそうです。