番組表
ヒューマン
2022年12月19日
No.62 クイズ作家 日髙大介さん(宮崎市出身)(2022年12月17日放送)
クイズ番組の問題作成などを手掛けるクイズ作家の日髙大介さん。
いつの時代もテレビを彩るクイズ番組で、問題やルールづくりを監修する「クイズ作家」です。
日髙さんは、少年時代にクイズ番組に魅了され、見る側から出場する側、そして問題を作る側へとステージを進め、これまでに人気クイズ番組「99人の壁」や「ヘキサゴン」など、80本以上の番組を手がけてきました。
- 【話:横浜翠嵐高校 クイズ研究部の生徒】
クイズをやってたら知らない人はいないんじゃないかなと思います。
- 【話:クイズジャパン 大門 弘樹 編集長】
クイズ番組の決してなくちゃいけない古き良き部分を若い方に伝えていく役割を果たされている方だと思います。
東京都 渋谷区
「NHK Eテレ」で、10月8日に放送されたクイズ番組の収録スタジオ。
クイズ作家は、番組の演出に合わせて問題文を考えます。
◯×(まる ばつ)で答えさせるのか、早押しで答えさせるのか、などルールづくりにまで携わります。
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
クイズ周りの監修といいますか、ちゃんとフェアな戦いになるか、正解と不正解を瞬時に判断するという役目もあります。
瞬時に、正確にピンポン(◯)ブー(×)を出すのが深くてですね。回答者の方の喜怒哀楽を引き出す装置だと思ってるんです。「間」ひとつで、喜びとかホッとするとか逆に落胆するとか変わってきますのでね 。
作家になっておよそ20年。
日髙さんは、見る側・答える側・作る側の3つの立ち位置をすべて経験しました。
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
誰も答えられない問題を作らないっていうか、ファインプレーがそれぞれできるようなものをなるべくバランスよく配置するみたいな。滞ってるなってなったらサポートに出たり・・
大船に乗ったつもりでやって頂けるのが一番いいですので、できるだけ大きな船になりたいなというのはありますよね 。
- 【話:横浜翠嵐高校 クイズ研究部生徒】
問題を作る人がいなければクイズをすることはできないわけで、プレイヤーとしても作問する側としても日髙さんを尊敬しています。
- 【話:番組プロデューサー 西山 隆史さん】
とにかく少年みたいな人。クイズの時の少年がそのまま大人になったみたいな方。こっちもクイズに対して誠実に向き合わないと、こういう番組は作っちゃいけないんだなと感じます。
1977年 宮崎市で生まれた日髙さん。
クイズとの出会いは、宮崎大学附属幼稚園の年長の時に見た、伝説のクイズ番組でした。
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
アメリカ横断ウルトラクイズで湖のほとりで、挑戦者7人が寝てるんですよ仰向けで。答えがわかったら腹筋で起き上がったところに早押しボタンがあってみたいな。すごい光景だなと思って。
■日髙さんの基礎となったノート
1977年から日本テレビで放送された人気クイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」。
その名の通りクイズで勝ち抜きながらアメリカを横断する、延べ20万人以上が挑んだ大型特番です。
小学3年生の夏に、父親の転勤で串間市から静岡県浜松市へ引っ越した頃、やがて自分もウルトラクイズに出場したいと思い始めます。
そこで日髙さんは、アメリカ横断ウルトラクイズ16年間全問題集早押しクイズ2576問をノートに手書きで写しました。
ノートに書き写したクイズを出題!
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
この番組、このノートで知ったことが結構多いかもしれないですね学校で習うより先にウルトラクイズで観てるので。
授業中に先に答えを言って、先生に廊下に立ってなさいって本当に言われてました。
高校2年の夏、高校生クイズで全国大会に出場。
慶応義塾大学に進学後、クイズ番組「アタック25」や「タイムショック21」で優勝し、クイズ王の仲間入りを果たします。
大学2年の時に高校生クイズの問題作成を紹介され、大学中退後、「ヘキサゴンII」など人気番組を担当するようになり、本格的なクイズ作家としての人生がスタートします。
自分が作った問題が、多くの人に届けられていると感じることが「やりがい」だと語る日髙さん。
現在は、クイズ番組さながらの早押しを楽しめる日本初のクイズ専門店「QUIZ ROOM SODALITE」で、クイズ教室のプレゼンターも務めています。
出されるクイズは全て日髙さんがこれまでに作ってきた問題。
その解説も教室の醍醐味です。
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
「ピリリと辛いと言われる山椒は何科の植物?」
この問題は定型で出されることが多いですけど、「ピリリ」と聞いただけで押して正解「ミカン科」と答えると、「おそろしい・・・」と言われます 笑
日髙さんが参加者に持ち帰ってもらいたいもの。
それは「テクニックだけではない、クイズでしか味わえない体験」です。
- 【話:クイズ作家 日髙 大介さん】
勇気を出して押す。ランプがついちゃった。みんなの注目をあびる、思った答えを言う。喝采を浴びる。なかなかない日常じゃない経験じゃないですか。「日常じゃない」っていうことと「成長ができる」っていう成功体験の積み重ねみたいな・・・
- 【話:クイズ歴3年の女性】
間違えたりしてもフォローしてくれたりとか、他の参加してる方も拍手とかしてくださったりして楽しい雰囲気で、勝ち負けにこだわらずに出来るところが良いかなと思います。
宮崎や浜松の小学校でやっていたクイズ遊びの延長線上にあることで、人に喜んでもらえることが一番嬉しいと語る日髙さん。
今や、若いクイズプレイヤーが日髙さんが作ったクイズに答えることがステータスとなっているそうです。
幼少期から憧れたクイズの世界。
クイズ番組の柱として楽しさを伝えていく伝道師として、日髙さんのクイズ作りはこれからも続きます。